エアゾールについて

エアゾールについての基本知識

エアゾールとは

エアゾール(Aerosol)とは、元来、コロイド科学の分野で煙や霧のように微粒子が空気中に浮遊している状態をいいますが、製品としてのエアゾールの定義は次のようになります。

一般的には

液化ガスあるいは圧縮ガスと使用目的とする液体を、弁を持つ容器に封入し、ガスの力によって使用目的の液体を弁から放出させる構造にしたものをいいます。

高圧ガス保安法関連では

高圧ガス保安法及び関係政省令の運用及び解釈について(内規) 第6条関係 15 にて次のように定義されています。

容器に充填された液化ガスまたは圧縮ガスの圧力によりその容器または他の容器に封入されているガス以外の目的物質(香料、医薬、殺虫剤等)を噴霧状または練歯磨状に排出する機構を有する製品における内容物をいう。

薬事法関連では

日本薬局方 第16改正 製剤総則の各条にて以下の2つが定義されています。

吸入用エアゾール剤
容器に充填した噴射剤と共に,一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤である。
外用エアゾール剤
外用エアゾール剤は,容器に充てんした液化ガス又は圧縮ガスと共に有効成分を噴霧するスブレー剤である。

更に製剤通則で、補足がされています。

製剤各条は、広く,一般に用いられている剤形を示したものであり、これら以外の剤形についても、必要に応じて、適切な剤型とすることができる。

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エアゾールの歴史

第二次大戦中に米軍が害虫類の撲滅手段として使用したバグボンベ(南京虫爆弾)が、エアゾールの原型です。
これは頑丈な鉄容器に主薬とフルオロカーボン12の混合物を充填したものでした。

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わが国には終戦後に持ち込まれ、長い試行錯誤の末にヘアスプレーと殺虫剤が最初に商品化されました。

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エアゾールの生産数量は右肩上がりで成長を続け、平成に入ると頭髪用泡状製品などの好評が後押しし、ピーク時には7億本に迫る勢いでした。
現在ではふわっと噴射する肌用のミスト、ジェット状に噴射するストリームタイプの製品などさまざまな形態に発展しています。

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エアゾールの特徴

エアゾールには次のような製品特性があります。

  1. 清潔である

    内容物で手や周囲を汚すことがない

  2. 的確である

    望むところに望み通りに使用できる

  3. 効果的である

    無駄なく、望む量だけを使用できる

  4. 簡単である

    指先で押すだけで使用できる

  5. 安全である

    不慮の漏失・喫飲の誤用を避けることができる

  6. 簡便である

    そのまま使え、混合・洗浄などの手間が不要

  7. 持続性がある

    品質を維持したまま長期間使用が可能である

  8. 衛生的である

    完全に密封されるので汚染の心配がない

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エアゾール製品の原理

図は一般的なエアゾール製品の状態を示しています。
原液と液化ガスを容器に充填し、バルブを取り付けると、常温下において液化ガスの一部が蒸発して容器内で圧力が生まれます。

  • 噴射ボタンを押すことでバルブが開放され、この液化ガスの蒸気圧力により液相(原液と液化ガスの混合液)が放出されます。この際に、噴射ボタンのノズル形状と液化ガスが急激に膨張することにより、細かい霧となって空間に放散されます。
  • この微細な霧(エアゾールミスト)がエアゾール製品の特質といえます。
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エアゾールを構成する部材

エアゾール製品は上図のように、原液の他、容器、バルブ、噴射剤、アクチュエーターの4つの材料によって、構成されています。

エアゾールの噴射形態

エアゾール製品は噴射剤、原液、バルブ、アクチュエーターを組み合わせることによってさまざまな噴射形態をとることができる製品です。