エアゾール製品に関わる法律・規定等は、多岐にわたり、それらが複雑に関係しあっています。
噴射剤には高圧ガス保安法、内容液には消防法、さらに製品の種類に応じて、薬機法、農薬取締法、家庭用品品質表示法、労働安全衛生法など、許可・届出を必要とするものから表示の義務づけられているものまで多種多様な法規が関係しています。さらにエアゾール製品の物流においては、郵便法、航空法、危険物船舶運送及び危険物貯蔵規則などが関係してきます。
当然、これらの法規を所轄する官庁も、経済産業省、厚生労働省、農林水産省、総務省、国土交通省と多岐にわたります。また、地方自治体の条例等や関連業界団体の自主基準に関わるものもあり、エアゾール製品は幾重もの厳しい管理下に置かれているのが現状です。
エアゾール容器に以下の内容を表示することが「高圧ガス保安法施行令関係告示」にて定められています。
エアゾール容器及び外装に以下の内容を表示することが「危険物の規制に関する規則」にて定められています。
表示項目 | 容器最大容積 | ||
---|---|---|---|
500mLを超える | 300を超え500mL以下 | 300mL以下 | |
危険物の品名 | ○ | それぞれ通称名及び 同一意味文言可で可 |
不要 |
危険物の化学名 | ○ | ||
危険等級 | ○ | ||
「水溶性」の文字 | ○ | ||
「火気厳禁」の文字 | ○ | 同一意味文言可 | |
危険物の数量 | ○ | ○ | ○ |
廃棄物の分別収集及び再商品化の推進を図るため、消費者の方の分別排出を促進する目的で容器包装(※)に識別表示をすることが容器リサイクル法で定められています。
識別表示は、基本的には容器包装毎に行ないますが、一定の条件を満たせば、一括して識別表示を行うことも認められています。
※容器包装とは、商品の容器及び包装(物を入れたり包んだりするもの)で,その商品自体を消費したり、または商品から分離した場合に不要となるものを言います。
識別表示は飲料用PETボトル、紙製容器包装などその対象が決まっていますが、エアゾール製品に法的義務表示はなく、表示については各事業者又は業界ごとの対応にゆだねられてはいます。更にリサイクルにむけて何らかの材質表示をすることが望まれています。
またエアゾール製品のように、多くの種類の容器包装(例えば容器、ボタン、キャップ、フィルムなど)からなる製品の容器包装を多重容器包装と言います。
多重容器包装は、
が認められています。
以上を踏まえてエアゾール協会より、「エアゾール製品の識別表示ガイドライン」が発行され、業界では当ガイドラインに基づく表示をしております。
エアゾール製品の表示に関する基本的な考え方 | 該当例や要約 |
---|---|
無地又は物理的制約(表示面積や形状、素材面等から表示が困難なもの)のある容器包装の場合は、識別表示を省略できる ただし、多重容器包装の場合には識別表示が可能な他の容器包装へ表示する |
シュリンクは識別表示が必要 無地の場合は省略が可であるが、エアゾール容器に表示が可能であるため、容器へ一括表示を行なう シュリンクに文字等を印刷している場合は識別表示が必要 |
同時に廃棄される多重容器包装において、識別表示を付すことが義務付けられている容器包装がある場合、一括して表示することにより、個々の識別表示を省略することができる | キャップはプラ製であり、表示義務があるが、容器に一括表示すれば個別に識別表示しなくてよい |
噴射ボタン(スパウト)は、製品を使用する上で機構的に切り離せない容器の一部であるため、表示を省略することができる(本体容器と離脱可能に設計してあるものを除く) | 簡単にとれない部品は容器の一部とみなす |
ワンタッチキャップは、容易に取り外すことができないものは、容器の一部とみなし、表示を省略できる(本体容器と離脱可能に設計してあるものを除く) | |
キャップや缶胴に貼付された能書、説明書等、また試供品、サンプルは、対象外である |
内容物等により以下のような法令に応じた表示をしています。